<飛行機シンポジウム>

ヘリコプタのPublic Acceptance

牧野 健 (日本ヘリコプタ技術協会)

Public Acceptance of helicopter

Takeshi Makino ( AHS Japan Chapter)

 

Key Words: helicopter, public acceptance, virtual noise

 

Abstract

Public Acceptance is increasing its importance in the contemporary society. Originally "public" means in the democratic society a collectivity of rational individual members of the society. But in these days, we have to understand that "public" include irrational and also emotional aspect. It seems that this introduces much difficulties to Public Acceptance of helicopter operations in urban area. Wishing to open the door on this problem among Japanese academia and industries, I dare to introduce two excellent foreign papers and add some comments.

 ヘリコプタにおいてPublic Acceptance(以下PAと略す)を確立する.上で騒音が中心的な問題であることは明白な事実であり、日本を含めて騒音(この場合もっぱら外部騒音)を減らすための研究が非常に熱心に行なわれているのは御承知の通りである。

 学会でPAを取り上げる口火となる為にこの論題を与えられたのだと思うが、私自身は騒音の専門家でもないし、PAについて経験がある訳でもない、またなんの研究もしていないのでここでは今までに聴いた優れた2つの論文のPAに関係した要点をご紹介してヘリコプターのPAについて関心を持って頂けるきっかけを作れれば幸いと思っている。

 文献1によると、ヘリコプタ騒音とPAに良い関係を確立する為には音響的な刺激(音圧、周波数分布、音源の空間位置、持続時間など)とそれを受けた人間の感覚(音の強さ、音の高さ、ハーモニー、長さと聞こえてくる方向)との定量的な関係を理解することが必須である。これは正に音響心理学の分野である。何故ヘリコプタの音に対して苦情が出るかということを理解するにはこの音響心理学的検討でヘリコプタの音源が示す他の騒音と違う点の把握と共に、運用上の見地から考慮すべき事態として、毎日の運用量の大きな増加、通常と異なる飛行経路を取った場合、「うるささ(Annoyance)」が時日の経過と共に漸増していると感じられた場合など。さらに、社会的見地から考えなければならないこととして、一部の富裕なグループが大部分の市民のことなど気にも掛けずに自分たちの利便の為にヘリコプタを飛ばしていると言う受取り方をされること等について認識することが重要としている。 また、騒音に対し感度の高まっている地域の土地利用計画にも有効適確な騒音測定基準の必要性がとなえられている。 基本的には現在あるEPNLをベースにして土地利用計画にも適切な基準を開発すのが良いだろうとしている。

 文献2からはVirtual Noise (以下VNと略す) について紹介する。PAはAcoustic NoiseとNon Acoustic Noise によって決まるとしている。後者をVNと名付けdBで表す。たとえば、レジャー目的の飛行に対する反感は5dB、墜落事故にたいする恐怖は10dBと言った具合に、航空機事故に対する恐怖や飛行の意義や価値評価に対する疑念などが原因の主要な部分を占めている。VNは音響的なトリガーで引起されるが、視覚的なものがトリガーになることもある。

 VNを減らさなければヘリコプタのPAは多分非常に制限されたものになりヘリコプタ産業は危機に瀕し兼ねない。AHS, ERF, HAIをはじめ世界の同様の組織が協力してVNの減少のために、広報、教育活動などに取り組むべきであるとしている。

 最後に私の考えとしてPAを得るためにヘリコプタ技術者の果たすべき役割の重いことを強調したい。物理的な低騒音化の実現と、VNの低減のための諸活動の両面でヘリコプタ技術者の責任は重かつ大であると信ずる。またPAというテーマが航空の学協会でも取り上げられるようになることを期待する。

参考文献

1) Helicopter Noise and Public Acceptance: a stressed Relationship today, a better balance tomorrow: Gill Arnaud, Henri-James Marze, Eurocopter , AHS Forum 59, May, 2003

2) Understanding Helicopter Noise-Implications on Design and Operation--: A C Pike, Dr. John Leverton, GNK Westland Inc. , 24th ERF, September, 1998

 

(飛行機シンポジウム、2003年10月10日講演抄録)

 

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